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第6回建築ツアーin山口
2020年9月5日

みなさん、こんにちは!設計の甲斐です。

8月28日に山口県へ建築ツアーに行ってきました!

今回は隈研吾祭りです!(と、言っても最初に見学したところは違いますが・・・笑)

では、見学先を紹介していきます!

 

防府天満宮 芳松庵(設計:大江 宏)

三大天満宮のひとつ防府天満宮の参道の途中にあるお茶室です。平成3年に竣工したこともありこれまでに見学したお茶室と違って、大広間は迎賓館のような空間になっていたり、渡り廊下でつながったお茶室の天井は竹材、丸材を立体交差させ、ダイナミックな天井になっているところなど、遊び心のある造りでした。ですが、照明や空調設備の隠し方、奥行きの短い壁を柱にくっつけず、少し離して納めることで広間と周りの緩衝空間をゆるやかに別ける工夫など細部へのこだわりも見ることができました。外部空間も庭園の木々や大きな池と調和しとてもきれいでした。秋になると紅葉したモミジが庭園に広がりますので大広間からの景色は壮観です!是非行ってみて下さい!

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海/フィルター(設計:隈 研吾)

ここからは隈研吾祭りです!最初に見学した海/フィルターはSol Ponienteと言う名前のスペイン料理のレストランです。駐車場からは穴あきレンガを積んだ塀が外観を構成していました。レンガどうしをつなぐ目地のモルタルを薄くしていることや裏側を細い鉄線を多用して支えているため浮遊感のある軽やかな造りでした。穴があいているため潮風が抜けることや、普通のレンガよりも軽量のため実現できたのか興味のわく造りでした。建物自体は鉄骨造がメインで内部の一部が木造、屋根下地をOSBボードで組んでいました。化粧桁のようなOSBボードがつくる軸線と一部水盤を設けることで海との関係性を持たせているところは以前見学した長崎県美術館(こちらも隈さん設計)の石材プレートと水路との関係性に似ているように感じました。内部空間は一部吹き抜けの2階建てで全部の客席から海を眺めながら食事をすることができます(今回はシェードがかかっていてうっすらとしか見えませんでしたが笑)。海側からや駐車場側、エントランス、店内からなど場所によって色んな見え方ができる面白い建物でした。

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下関川棚温泉交流センター(設計:隈 研吾)

隈研吾祭り二つ目です!三角形や台形を組み合わせた構造が特徴的な建物で、川棚温泉旅館と音楽家コルトーとの歴史を展示した空間と音楽ホールの複合施設です。福岡の筑後船小屋にある九州芸文館(こちらも隈さん設計)に似た造られ方で背景に広がる山並みをモチーフにしています。山並みを曲線でつくるのではなく、フラクタルな造りで表現するところは隈さんらしさを感じました。内部空間は構造体のトラスが見え、それに合わせて三角形で床のコンクリート目地がとられていました。高低差のある土地に対して三角形を折りながら建物を構成することで高さのボリュームを抑えながら高低差を処理するところ、多面体の内部空間にすることでホールでの演奏が反響する合理的な建築の考え方は勉強になりました。

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安養寺木造阿弥陀如来坐像収蔵施設(設計:隈 研吾)

隈研吾祭り最後の作品です!安養寺に併設して建てられた木造阿弥陀如来坐像の収蔵施設です。古くから地元に伝わる日干しレンガ工法を組積造で再現しています。レンガどうしの隙間は風と光を通すために設けられており、特徴的な外観を表現しています。内部は約1200年前に椋の木で造られた高さ3mくらいある旧国宝(現在は重要文化財)の阿弥陀如来坐像が収蔵されています。この日は94歳の住職にお招きしていただき、阿弥陀如来坐像をまじかで見たり、触れたりと特別な体験をさせていただきました。空調設備がなかったためどのように空間を管理しているか後から調べてみると日干しレンガの調湿機能を利用し素材の性質で室内環境をつくっていることが分かりました。地域の伝統と素材を生かすところは私たちの家づくりの理念にも通ずるところがあります。造るものや造り方は違っても勉強になるところがたくさんありました。

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見学後に住職にお言葉を色紙に書いていただきました!

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今回は隈さんの建築を中心に見学をしました。3つ全て違った用途で、違った特徴をもった建物でしたが、地域性や素材の使い方、活かし方は共通したものを感じました。古くからの伝統を活かした建物造りや、新しいものを取り入れて新たな風景を環境や歴史を崩さずに造るところが隈さんが設計する建物の魅力だと改めて感じました。

 

次回は九州に戻って宮﨑県へ行きます!

それでは次回のブログも楽しみにお待ち下さい!

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