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第7回建築ツアーin宮崎
2020年10月1日

みなさん、こんにちは!設計の甲斐です。

9月23日、24日で宮崎県へ建築ツアーへ行ってきました。

今回は遂に丹下健三さんの建物を見学することができました!

では、見学先を紹介していきます。

 

日南文化センター (設計:丹下 健三)

東京都庁舎や国立代々木競技場、フジテレビ本社ビルなどを設計され、日本の建築を世界レベルに引き上げた丹下健三さんの初期の作品です。複数の三角形で構成された特徴的な外観は山並みをイメージしており、前回山口県で見学した隈研吾さん設計の川棚温泉交流センター(こちらも山並みをイメージ)とは違った迫力のある建物でした。また、丹下さんは近代建築三大巨匠の一人であるル・コルビュジェに影響を受けており、開口部の造形はコルビュジェっぽさが感じられました。当日は内部のコンサートホールや楽屋、会議室を見学させていただき、外観の三角形が内部にも影響し、斜めに傾いた壁や傾斜天井など面白い空間でした(特別な許可が必要だったため、内部の写真をアップできず、申し訳ございません泣)。竣工して50年以上経つことからコンサートホールの壁にはクロスが貼られていましたが違和感なく、程よいボリューム感で心地よい空間でした。おそらく、竣工当時はコンクリートが壁、天井すべてに現れており、傾斜とコンクリートの質量感で造られた空間は圧巻だったと思います。当時とは雰囲気が変わったかもしれませんが、今でも大切に使われていることはすごく嬉しかったです!

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日向市駅 (設計:内藤 廣)

日向市にあるJR日向市駅。メインの構造はコンクリートと鉄骨造の駅ですが、駅前通りと切符売り場前の広場、そしてプラットホームの上屋を地元の杉を使って造られた、迫力のある駅でした。離れたところから駅をみると鉄骨と防風、防音の透明のパネルで構成された軽いイメージの駅ですが、近くに行くと杉で規則的に造られた屋根によって重量感はありながらも、きれいな空間が構成され、全く違った雰囲気を与えてくれる駅でした。プラットホームの上屋は二次曲面の杉材と鉄骨のボールジョイントによって空間が造られ、経年変化によって濃くなった杉材と鉄骨の色が調和した落ち着きのあるホームでした。切符売り場前の広場の天井はランダムに凹凸をつけることによって陰影がつくられ、駅前の通りに対して軸線上に広がるきれいな空間でした。また、駅の横にある公園のステージの屋根も杉が組まれて造られており、こちらも通りに対して軸線をとるように組み方の段数を変えていたところ(そう感じました笑)が、印象的でした。杉をたくさん使った駅だけで終わらせずに周辺の環境を取り込む計画はとても勉強になりました。

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日向市役所 (設計:内藤 廣)

日向市駅から歩いて10分くらいのところにある日向市役所です。コンクリートがメインの構造ですが、こちらも内外部ともに杉をたくさん使った特徴的な市役所でした。垂木を型どったコンクリートの屋根や一部を雁行させた平面計画、オレンジ色っぽい塗装が寺院建築のようにも見え、不思議な雰囲気でした。外部空間から内部空間に入っていくにつれ、不特定多数の人たちの憩いの場、地域の子供たちの遊び場、市役所を利用する人たちの場へとパブリックな空間にグラデーションがつけられた計画は面白く、当日も子供たちがデッキの上を走りまっわていました。デッキには所々吹抜けがあり、上下につながった空間は子供たちにとっては楽しい遊び場になっているなと少し羨ましく思いました笑。日向市役所は地域に開かれ、地元の人たちにとっての大切な場所のように感じました。

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今回見学したところはどれも「迫力」が共通のテーマにあったなと感じました。しかし、迫力を感じながらも素材による軽快さや、逆に素材による重厚感など同じテーマでも違った表現の仕方をするところは設計する人のらしさが出ていてとても面白かったです。

2日目は大分県にある岩波製竹所という竹を製材する工場を見学させていただきました。竹の灰汁を抜く窯や、反った竹をあぶりながらまっすぐにする道具などを見せていただきました。

 

地元の素材を使って地域の人たちに還元するアイデアや、伝統の文化や技術を使って地元の素材を発信する人たちの仕事を直接見たり、聞いたり、感じたりすることができたとても貴重な2日間でした。

 

話は変わりますが、1つ目に見学した日南文化センターを設計した丹下さんの作品で、東京都文京戸区にある「東京カテドラル聖マリア大聖堂」という教会があります。ここは私の中で日本一の建物です!HPシェル構造という工法が採用されており、反りあがったコンクリートの壁とトップライトから差し込む光によって造られる空間は幻想的で圧巻です!東京に行く機会がありましたら是非行って見て下さい!

 

次回の建築ツアーは広島県です!広島には選定が大変なくらいたくさん名建築があります笑。

では、またブログにてツアーの内容を報告させていただきます!

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