Atelier.M

漆で繕う
2015年5月12日

今日は、金継ぎのご紹介をしたいと思います。

 

金継ぎとは、漆を使って壊れた器などを接着していく修復方法のことで、

 

金繕いなどとも呼ばれます。

 

私が通う教室では、科学的な薬品は一切用いず、

 

漆が発酵することによって自然に接着するのを待つ、

 

というゆっくりした繕い方で継いでいきます。

 

kintugi-4

 

この器の場合、欠けたところを漆に自然物を数種混ぜたもので形の修復をします。

 

白い器ですので、漆が染み込まないようにのりで処置をして作業をします。

 

固まったら、何度も漆を塗り、削りを繰り返し、

 

数か月かけて次の段階へ。

 

kinntugi-5

 

今回は、金と銀を混ぜて蒔くので、

 

発色が良いように、赤漆を塗ります。

 

kinntugi-2

 

蒔いたら、それを落ち着かせるために、ひと手間。

 

kinntugi-3

 

金を磨き上げる方法で、最後の処置。

 

半年ほどかけてようやく出来上がります。

 

テレビなどで紹介されている金継ぎの中には、

 

もっと豪華なものもありますが、

 

地道な作業をしていると、

 

もともと、こんな繕う技術として在り、

 

ひとつの文化として継承されているのだと感じます。

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