器の繕いを承り、

お預かりして10か月ほど。。

昨日、ようやくお渡しすることができました。

 

 

 

女性の作家さんのお茶碗、、

お気に入りの器とのことで、大切に使ってこられたそうです。

絵付けが特殊であったことと、

貫入もあり、複雑な金継ぎでした。

漆を入れ、研ぎ、また重ねて固め、研ぐ、、、を繰り返し、

ずっと繕ううちに、私まで愛着が湧き、

お渡しするのが寂しい気持ちに。。。

長いことお待たせしましたが、やっとお返しでき、

喜んで頂いて、とても嬉しかったです。

器を繕うことって、良いものだなぁ。。。と

あらためて感じました。

 

 

金で仕上げるときの工程をご参考までに

 

 

 

ごはんで作った糊で汚れ止めをした後、

欠けたところに漆で練ったコクソという粘土状のものを入れ、

湿度と温度を調節しながら、

一週間ほどして固め、さらに形を整え、

漆を重ねては研ぐことを繰り返します。

状態や大きさにもよりますが、数か月かけて仕上げていきます。

 

 

 

呂色と呼ばれる漆を重ね最後に赤漆を引きます。

 

 

金を蒔きます。

生正味と呼ばれる漆を載せ、さらに固めます。

 

 

砥粉を使い、指で研きます。

仕上げに鯛の歯で研き、金継ぎ終了。

関連記事